前の記事では、2020年の中国のeコマース市場の動向に関して、見ていきました。eコマースの市場のプレイヤーとそのシェアなど。今回は、それに引き続き、今度は中国のeコマース市場で巻き起こるトレンドに関して見ていきたいと思います。今や世界ナンバーワンの規模を誇る中国のeコマース市場には、明日のビジネスのチャンスが眠っているかもしれません。
中国のeコマースに見る6つのトレンド
さっそく見ていきましょう
1.Short Video
ライブストリーミングと共に、Short VideoやShort Videoのアプリが中国市場では盛り上がっています。これにより、ビジネスとソーシャライジングの境界はあいまいになってきていることのあるり、3億人以上の中国人がShort Videoアプリを使用しています。中高所得層の世帯や個人、および若い視聴者(35歳未満)のいるエリアが、このメディアの利用率が最も高いエリア、セグメントになっています。
2.グループ購入
この傾向はまだ中国以外の国ではさほど普及していない、全く新しいトレンドです。他国の買い物客であれば、値段が安くなると、その分製品の品質が低い可能性があると考えているかもしれません。または、それらのプラットフォームは信頼性が低くなることもあります。安すぎて怪しいといったものですね。しかし、中国の消費者は大幅に値下げされた価格を高く評価する傾向にあるのです。さらに、中国では、ピンドゥオドゥオ、JD.com、アリババが独自のグループ購入機能を開始するため、グループ購入がこれまで以上に拡大することが予想されます。
3.ソーシャルコマース
このトレンドは、2019年に3,000億米ドルを超えるほどに本当にホットなトレンドです。モバイルデバイスとソーシャルメディアの使用の増加により、ソーシャルショッピングはソーシャルeコマースとしてその位置を確率しました。「今」の消費者、買い物客は、自宅でも、職場でも、外出先でも、モバイルデバイスを用いて、オンラインショッピングを楽しむことができます。この行動形態は、パーソナルですぐに購入できるソーシャルコマースエクスペリエンスを作成するための全く新しいアプローチの必要性をまだまだ高めて行くことになるでしょう。
4.クルエルティフリー製品
中国の政策立案者への圧力が高まるにつれ、クルエルティフリー製品の一般貿易を少しずつ開放しています。これまで、中国で販売されている化粧品は、法律に基づいて動物でテストする必要がありました。このような規制があるのは唯一この国中国だけです。動物の権利だけではなく、これはまた、ビーガン、虐待のない、持続可能な化粧品と美容ブランドへの市場を拡大していきます。英国ベースのスキンケアブランドブルドッグは、最初のクルエルティフリーの化粧品ブランドに設定されており、一般貿易(クロスボーダーeコマース)の下で中国本土で販売を開始しています。
5.プライベートトラフィック
有料トラフィックがより高価になる結果として、ブランドは代替案を模索しています。WeChatグループのような排他的なクラブまたはグループを設定することにより、ブランドは特定のライフスタイルと対応する製品を伝えることができます。こういったクローズドなグループの利点は、彼らがすでに忠実な顧客とファンで構成されていることです。
6.ビッグデータ
最後のトレンドはビッグデータ。これは、これまでのトレンドのすべてを文字通り結びつけます。ビッグデータは大量の情報を分析し、中国でデータ指向のマーケティングを実施するのに役立ちます。オンラインとオフラインの消費者行動からの情報を組み合わせることにより、企業は空間と時間の制限から解放されます。また企業は、(潜在的な)顧客の好き嫌い、彼らの動き、行動パターンについて深い洞察を得ることができるのです。たとえば、Tencentは情報を収集し、基本的な属性、社会的関心、娯楽的関心、メディアの好みなど、3,000を超えるタグで構成されるさまざまな次元に分類します。中国の消費者は世界の中でも特に、モバイルデバイスを愛し、すべてにそれを使用しています。具体的には、支払い、再生、チャット、ショッピング、日常のサービスや製品の注文などを行えるスーパーアプリWeChatがその代表です。
以上、eコマースの進展を引っ張る中国のトレンドを見てまいりましたがいかがだったでしょうか。途中、クルエルティフリー製品などは特に、中国に限られた話でしたが、それ以外の5つに関しては、国内のeコマースの未来を見ているかのような気分にさせてくれる話でした。みなさんが、中国のeコマースに興味をもち、いつの日か、一緒に議論できる日がくることを楽しみにしています。
最後になりますが、度々紹介している、本を紹介したいとおもいます。
「事例でわかる 新・小売革命 中国発ニューリテールとは? 」
この本に、さらに詳しいないようが書いてありますので、まだ読んでいない方はぜひ!
絶対に、今読むべき本です。
コメントを残す